■ 国際古紙相場の変動と中国中芯価格推移
2020年2月25日
中国造紙協会の統計では昨年の1-9月の段原紙生産量は前年度比-0.7%、消費生産量ともに前年度比割れとなった。 米中貿易戦争の影響による景気減退が大きな要因だが、段ボール原紙不足によるシングル化も急速に進みつつある。
従来中国では破裂強度重視、重量物梱包はダブルにより強度を持たせることが一般的であったが、ここにきて強化芯や高強度ライナーの需要が高まりつつある様だ。 原料不足から生産量を落とす製紙メーカーとしても高付加価値品に舵をきりたいのが本音だ。
昨年末は米中協議が第一段階の合意に至り、関税報復合戦の一服感と需要の回復からAグレートライナーを中心に価格が反転した。 大手主導により高グレードのライナー価格が修正され、価格の改定は一般ライナーや中芯に波及した。
その後年明け大手製紙メーカーの価格に中小メーカーが追随しなかったこともあり、加熱しすぎた原紙価格に一服感がでた所で旧正月へ入った所だった。その後新型肺炎の流行が重なり原紙価格は上値に押し戻される形で弱含んでいるが、12月中旬の米国との合意は影響が大きかったといえる。 年間を通した消費量及び生産量は本年5月に公表される予定だが、中長期的にみると中国での原紙不足は否めずアジア全体で中国向け輸出価格が上振れする可能性が高い。
‘17年は中国内需の拡大と古紙の輸入規制が重なり段ボールの原料である古紙価格が高騰し、原紙価格も値上げを余儀なくされた。今後原紙不足から起こる原紙価格の高騰が古紙価格に波及する可能性も否定できない。