■ 紙の知識 ② 平判サイズ
原紙の平判サイズはJIS(日本工業規格)の規格サイズとして定められており、A列本判・B列本判・菊判・四六判・ハトロン判という名前の5種類があります。
A列本判(625mm×880mm)
A判はドイツの規格で19世紀末ドイツの物理学者オズワルド氏によって提案され、面積が1平方メートルの「ルート長方形」をA0としました。「ルート長方形」とは、縦横比率が「白銀比」と呼ばれる「縦:横=1:√2」の長方形を指します。どこまで半分にしても同じ形、相似形の長方形になります。A列本判は国際規格サイズとして規定されており、コピー用紙等もA4サイズに統一されています。
菊判(636mm×939mm)
昭和の初期にA列判,B列判という規格寸法が制定されるまで,四六判とともに日本の用紙寸法の基準となっていました。名称の由来は諸説ありますが、一説にはこの用紙が初めてアメリカから輸入されたときに付けられていた商標が菊の花に似ていたためといわれています。菊判はA判よりひと回り大きいため、A判の代わりに利用されることも良くあります。
B列本判(765mm×1,085mm)
B判は日本独自の規格で、面積が1.5平方メートルの「ルート長方形」をB0としています。江戸時代の公用紙「美濃紙」に由来(尾張藩が美濃地方で作らせた紙が公用紙として認められた)しています。国際規格であるA4やA3の需要が増加しA判を用いることが多くなり、B判は減少傾向にあります。
四六判(788mm×1,091mm)
イギリスの紙の規格である「クラウン判」が元になっており、明治時代にイギリスから輸入されました。
この大きさがかつての日本で使われていた美濃判(代表的な和紙で有名 273mm×393mm)の約8倍の大きさに相当するため、大八ツ判と呼ばれ大変重宝されました。
日本工業規格(JIS)の判型、用紙を32に裁断した大きさで,約127×188mm.寸法が横4寸2分,縦6寸1分であるところからこの呼称が付いています。
ハトロン判(900mm×1,200mm)
名前の由来はドイツ語の「Patronenpapier パトローネンパピァー(弾丸の薬莢を包む紙)」といわれています。昔は一般包装紙や封筒などで使われてきました。現在は包装紙などで使用されています。
洋紙寸法及び面積表(ヨコ×タテ)
名称 | 寸法(mm) | 面積(㎡) |
---|---|---|
A列本判 | 880×625 | 0.550 |
B列本判 | 1085×765 | 0.830 |
A列小判 | 856×608 | 0.520 |
四十六判 | 1091×788 | 0.860 |
菊判 | 939×636 | 0.597 |
地券判 | 758×591 | 0.448 |
三々判 | 1000×697 | 0.697 |
艶判 | 762×508 | 0.387 |
艶判(倍判) | 1016×762 | 0.774 |
ハトロン判 | 1200×900 | 1.080 |
新聞用紙 | 546×813 | 0.444 |
B列四判 | 364×257 | 0.0935 |