2月原紙輸出量増大 前年度対比2倍

  ■ 2月原紙輸出量増大 前年度対比2倍

2月の段ボール原紙輸出量が前年度比2倍となった。消費税増税による消費の落ち込みと新型肺炎によるイベント開催、外出の自粛により国内向けの払い出しは大幅縮小、前年度比-37,896t(-5.32%)であったが、輸出量3万4千t増加し需給ギャップをカバーする形となった。 特に中国向け段原紙の輸出は前年度比218.7%と大きく増加した。

中国では旧正月の休転と新型肺炎の影響によって国内の古紙回収が停滞、旧正月明けの原紙供給に対する不安感が増大し各段ボールメーカーは海外にその調達先を求めた。 また原紙輸出国である台湾、ベトナムへ電子部品や衣料品の中国代替え需要が発生し内需が活況になり中国向け原紙輸出が遅延したことが日本への原紙引き合いを加速させた。 

つまり2月は日本国内段ボール需要減退に、中国からの強い原紙引き合い価格が上昇したことが重なり輸出量が増加したとも言える。 3月の日本国内段ボール需要は自動車部品など工業系の需要は減るものの、通販・日用品や食品関係の出荷が増え、特に大手を中心に需要が伸びる見込みだという。 

一方東南アジアでは国内の消費自粛、中国や欧米での景気減退の影響が出始めており、5月以降も受注が堅調であるか不透明だ。今後東南アジアでの内需も落ち込めば中国向け輸出にシフトするとみられ、日本製品の商機は減少すると思われる。

<2月 段原紙輸出通関統計>   *通関日ベースの為製紙連合会の統計と若干ずれがあります。

上記通関統計によると2月中国向け段原紙輸出が前年度比2.4倍と特に増加した。東南アジア向けも130~170%と増加している。 世界経済の減退や中国の製紙企業再稼働に伴いこの原紙需要は継続するのか。中国の稼働率が完全回復していない中、中国でも紙需要そのものも減退しているが、AOCCの輸入が滞ったことによる古紙不足・原紙不足はどこまで影響を及ぼすのか注視したい。


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