■ マーケットハイライト:輸出価格は低迷、国内は荷止めプレミア価格も無くなる
2019年2月28日
2月に入り年明けから崩れた輸出価格はさらに下落し、3月出し関東古紙輸出組合は不調に終わったもののその入札価格はOCC店頭12円前後と日本国内の建値を大きく下回る価格となった。
国内価格は不足する新聞こそ店頭20-22円/kgと建値以上だが、段ボールはプレミア価格が無くなり18円/kg、受入れ数量制限も設けている。 しかし引き受けを希望する問屋からの提案により逆プレミア価格(15円前後)での荷受け要請もあり荷止めアナウンスと逆行し古紙在庫水準が高い工場もある様だ。
旧正月明けまでは古紙販売先を確保したい商社の安売り競争もあり、輸出価格の下落が止まらなかったが、ここにきて美国中南米社(玖龍社)が若干その購入価格を戻してきたとの事だ。
旧正月明け直後の原紙価格の反発と古紙価格数十銭~数円程度のリバウンドは織り込み済みだが、購買姿勢を昨年と大きく変え3月出荷分に対し1桁台もあり得る事を示唆していた同社の突然の価格提示には正直驚いた。
中華系メーカーの急な方向転換は毎度の事ではあるが、実際中国国内の景気状況が好転したわけではなく大幅な価格回復要因は見受けられない。今回玖龍社の価格は2-3円程度の値上げではあるが何が要因で、意図したものなのだろうか。
3月1日を期限とした米中貿易交渉も中国側が米国製品を大量購入することを確約し一旦延期、トランプ政権による関税増税・世界経済のさらなる停滞といった最悪の事態はひとまず回避された。 米中貿易交渉延長期限の期日は明確にはなっていないがトランプ大統領は大よそ1ヵ月と示唆している。