■ マーケットハイライト:輸出価格は底値近く欧州からの輸出は停滞
2019年6月30日
昨月に続き古紙輸出市況は変わらず低調だが、主だった動きはなく膠着状況、東南アジア向け価格は落ち着き始めており昨月と比べると緩やかな下落となっている。
現在の輸出価格はJOCC CIF東南アジア $85~110、(CY\8円前後)ONP $120-140、(CY¥10-12円)一旦底値も近いとみていい局面ではないだろうか。
古紙は資源であると同時にインフラであり、長期化する古紙価格の低迷は日本のみならず各国の古紙回収維持に大きな影響を及ぼしつつある。
欧州の古紙問屋は現在の相場は回収コストと合わない為、輸出せず回収を止めると言い出しており自然と価格下落にブレーキが掛かり始めているのが現状だ。 今月は米国サプライヤーが#11 OCC価格を90-100ドル付近まで下げたことに日本の古紙も引きずられ、商売を継続したい商社、来月の国内需要の軟化予測と在庫増に困窮した一部の問屋による海外メーカーとの直接投売り契約が噂となり価格のさらなる下落要因となった。
今後7月には岳南排水清掃や各社SDも控えている為国内古紙需要は軟調、さらに米国古紙価格に引きずられる形で若干弱含みする可能性もあるが7月~8月が底値と見ている。
米中貿易戦争が悪化しなければ8月末頃から横ばい、あるいは秋需へ向けて若干ながら価格を戻すのではないだろうか。 しかし去年の様なCY30円を超えるような暴騰は起こらず、秋口のJOCC輸出価格はCIF $100~130、世界の古紙回収の維持と需給バランスからCY 10~12円/kg付近での相場になると予想している。