アジア古紙市況 中国経済再開に期待感も古紙価格は横ばい

  ■ アジア古紙市況 中国経済再開に期待感も古紙価格は横ばい

2022年5月28日

中国政府が6月中旬に都市封鎖を解除し経済を再稼働させることを発表した事で、一部の市場に期待感がでている。 また例年6月になると東南アジアに於いても夏の青果物需要や、梅雨時の古紙回収減もあり古紙価格は強含む傾向にある。

中国のコンバーターからも輸入原紙の引き合いが来るようになり、短期的な市況感は底を打った様に感じる。 しかし、中国の経済指標が予想よりも悪かった事や、米国株式相場が8週間連続で下落しリセッションリスクが高まっている事は中長期的な市況感として無視できない要因かもしれない。 今のところ古紙価格に大きな値動きが見られない背景には人民元安から中国の原紙オファー価格が安すぎる事と、高い原燃料価格や海上輸送コストが足枷になっている事があるのではないだろうか。またアジア全体の通貨も対ドルに対し平均5%前後通貨安となっている。 ドルベースの価格が横ばいでも現地通貨建てでは値上がりしている状態だ。

 一方中国から最も近い台湾の製紙企業は一足先に中国からの段原紙受注を受け、古紙の購入を再開する動きを見せている。 しかし、台湾国内で新型肺炎の感染が爆発的に広がった事で国内消費が鈍化、東南アジアに比べ米国古紙を安価に買える事もあって、日本の古紙に高値をつけるには至っていない。 

現在の古紙輸出相場は為替129円/USDベースでJOCC CIF VIETNAM $270-275(CY27.0-27.5円/Kg) CIF TAIWAN $240-245(CY27.0-28.0/Kg)で推移している。

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