■ 中国紙製品輸入関税ゼロで市場に期待感 原紙在庫を増やす動きも
2023年1月14日
昨年末に突如中国政府が、輸入関税の大幅減税を打ち出した事で紙関連製品の輸入関税がほぼ無税となった。段ボール原紙は6%の関税が課されていたがこの政策により1月1日より0%となる。
中国市場は引き続き新型肺炎の感染爆発により、現時点で需要はまだ弱い。しかし一方で東南アジアメーカーからは輸入需要の増加に期待する声も聞こえてくる。 中国ではすでに9億人が感染したとの統計もでており、予想以上の感染拡大に、中国は早期に集団免疫を獲得し経済が稼働を開始するとの予想もある。
古紙引き合いを出してきたエージェントに聞くと、アジアメーカーの中には古紙価格が安いうちに原紙を製造し、中国サイドで通関後在庫、需要の回復と同時に販売しようと考えているメーカーもいるという。中国では港湾周辺の倉庫賃が安く、2000tを1か月在庫しても保管費用は数万円で済むの場所もあり、段原紙需要を先読みし在庫を積み増そうとしする動きもある様だ。
加えて急激な円高から日本の原紙価格が値上がりするとみているアジア段ボールユーザーから、早目に原紙を買い増そうというニーズもでている。
中国の現状を鑑みるにまだ実需とは言い難いが、期待感から一時的な仮需が出ている事も事実の様だ。