■ 急速な市場拡大が見込まれる中国の食品包装紙 市場
2022年1月21日
中国では今後3年間で新たに約200万㌧以上の食品包装紙需要が生まれると予想されている。
2019年の北米段ボール消費量は3145万㌧、日本は923万㌧、中国は4748万㌧で総消費量では先進国やその他の地域を大きく上回った。しかし、一人当たり消費量は北米で96kg/年、日本は73kgであったのに対し、中国は34kgだった。個人消費量に於いて北米は中国の3倍、日本は約2倍の量を消費している。
さらに北米では包装紙の40%が食品用用途で、個人消費量は38kgに達する。中国に食生活が似ている日本に於いても34kgと北米の消費量に近いが消費されているが、中国はわずか5kgに過ぎない。食品包装の分野では北米・日本は中国の7倍を消費している事となるが、一方で中国はまだまだこの分野の市場成長が見込める事を表している。
包装原紙の原材料に占める木材パルプの割合は北米で47%、中国以外のアジア諸国で約15%、中国は2%に留まっている。中国では食品包装を含めバージンクラフトの需要が増加に供給が追いついておらず、クラフト紙分野への投資も加速している。
中国では年間400万㌧、1日に30億個以上のビニール袋を消費している。プラスチック包装の使用禁止令とケータリング需要の増加により食品に接触する包装紙の需要は爆発的に拡大している。 2020年のファストフードチェーンの売上高は2019億元で店舗数は37,217店、市場成長率は7%を超えた。しかし食品消費に占めるケータリング率は5%で米国の30%には及ばず市場の拡大余地はまだまだ大きい。2016年以降のインスタント食品市場は年平均4.73%成長しており、2020年のインスタントラーメン販売数量は463.5億食に達し前年度同期比11.82%の成長となった。
また通販需要の増加によってラベル用途やクラフトテープ用途のグライン紙需要も増加しており、20年の年間生産量は38.9万㌧と5年間で20%以上増加した。ラベルの市場規模は570.8億元に達し、前年度同期比6.51%、過去5年間の平均成長率も7.92%だった。