欧州 使い捨てプラスチック規制法案施行 酸化型生分解性プラスチックも使用禁止に

  ■ 欧州 使い捨てプラスチック規制法案施行 酸化型生分解性プラスチックも使用禁止に

2021年7月9日

7月3日以降、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック製品の使用が禁止される。

5月31日に提言されたこの規則は、海洋ごみの70%を占める10個の使い捨てプラスチック製品を排除することを目的とし、リサイクルされない使い捨てプラスチック製品の使用を規制するもので、綿棒、カトラリー、トレイ、ストロー、マドラー、風船用スティック、および拡張ポリスチレンから作られた食品および飲料容器が含まれる。

また酸化型生分解性プラスチックから作られたすべての製品も規制の対象となる。

酸化型生分解性プラスチック(Oxo-Biodegradable Plastics)とは、通常のプラスチック素材の低密度ポリエチレン(LDPE)に化学物質を追加して生産することで、太陽の光や熱による酸化分解促進反応を利用し、自然環境での酸化崩壊と微生物分解の二段階で分解できる。廃棄されても自然環境で分解できるとして、日本に於いても農業用フィルム、ごみ袋、レジ袋、食品包装等に使用されている。

しかし、第一段階の酸化崩壊の時点で微粒子状にバラバラに分解された後、次の微生物分解に至るプロセスで十分に分解できず、マイクロプラスチック化するリスクがあるとして問題視されてきた。

代替品がない食品容器や飲料カップ、漁具・漁網、たばこフィルター等については、2025年までに少なくとも25%程度使用を減少させることを義務付ける。このうち漁具・漁網とたばこフィルターについては、製造者責任を拡大し回収・清掃コストの負担義務を製造者が負うこととした。

 ペットボトルは2029年までに分別回収率を90%に高め、回収されたペットボトルを原料に使用した再生ペットボトルを2025年には25%、2030年からは30%以上普及させることも目標に定めた。

一方、マスクや手袋などの医療関連製品は規制の対象に含まれない。

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