台湾製紙会社再生パルプビジネスに参入

台湾製紙会社再生パルプビジネスに参入

2019年7月30日

中国向けの原紙輸出が減少する中で、再生パルプの輸出は増加傾向、直近数ヶ月で中国に自社工場を持たない台湾各製紙メーカーもこぞって再生パルプの製造を開始している。 

各社原紙販売が低迷する中で減産・停機を余儀なくされ結果働コストが増加、通常通り生産すれば原紙在庫が増加するといったジレンマに見舞われた事が要因の様だ。 原料である輸入古紙価格も連動し下落したものの、長期保管が難しいことから解決策として台湾各メーカーは手離れのいい中国向けの再生パルプの生産に参入した形だ。  

再生パルプは中国の古紙輸入規制の掛かり始めた2017年より中国に自社工場をもつ台湾系メーカーによる製造、供給が増え、17年、18年共に台湾が中国向け供給の世界一位を占めている。 主には成栄紙業や永豐餘など中国に工場をもち、輸入ライセンスを取得できなかった台湾系製紙メーカーは自国台湾工場で製造し、中国工場へ供給を行っていた。 

しかしここ数ヶ月で自社工場を持たない台湾メーカーも再生パルプを製造し始めており、今回の出張で訪問したメーカー数社を始め少なくとも5、6社が再生パルプの生産を開始していることがわかった。 また各社ヒアリングする中で再生パルプを生産するメーカー側の意向は様々であることが覗えた。 昨年台湾の廃棄物原料に関する輸入基準が厳格化されたが、台湾政府は段ボール古紙等一部の古紙に関して国内の紙製造に必要な原料であるとし輸入を許可している。 

左記の理由から再生パルプは廃棄物を国内に残し、製品は輸出されてしまうことから法律的なトラブルになる可能性があることや、中華系メーカーが工場を東南アジアへ移設する計画を発表している為、一時的マーケットであり長期的に続かない市場と予測し大々的にやらない方向性をとるメーカーもある様だ。 

また中国に自社工場をもつ企業は自社工場への供給の為製造せざるを得ない、あるいは製品クレームもつかず稼働益も出る事から積極的に販売する計画を立てている中小メーカーもあった。

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