■ マーケットハイライト:8回目のライセンス交付。韓国・米国品でシップバックがあり価格が強含み
2018年3月29日
先日8回目のライセンス交付が発表された。今回の交付は131万トン、3社(5工場)となっており、内2社は以前の発表ですでに交付を受けた企業への増枠分とみられ、新規は1社のみの交付に留まった。
引き続き世界的な古紙の余剰状態は続いているが、直近日本品の中国向け価格で若干強含んだ価格がでている。背景として年明けに船積みされたアメリカと韓国古紙が相次いでシップバックされたことにより、品質面の懸念から一時的に日本品へと買いオファーが流れていることが原因の様だ。来週にはさらにライセンスが交付される噂もありバイヤーの動きも若干活発化してきている。
中には古紙価格が再び上がる?というバイヤーもいるようだが、中国の規制と世界的古紙の余剰感に変わりはなく、限定的なスポット価格ではあっても大幅な値上がりへとつながるか懐疑的な意見も多い。
中国国内原紙市況は旧正月明けの不需要期ではあるが古紙輸入規制の影響で古紙在庫はタイト感が続いている。製紙メーカーの強制休転があった天津エリア以外は再び上昇しており$10~40/tの値上がり、原紙価格も3月中に2度ほど値上げが行われた。日本品の中国向け輸出価格も一時的に強含んではいるものの、建値を超え20円近辺まで値上がりする可能性は低く今後も古紙価格の低迷が続くと思われる。
しかし遅くとも秋需には再度原紙不足が予測され、それに伴う日本からの原紙輸出と古紙価格の回復を期待したいがこの一連の「独身の日」による秋需も3年目に突入、継続される中国の環境規制もありさらに先を読んだ行動が必要となるのではないだろうか。