■ダイナパック2021年第1四半期黒字決算で着地
2021年5月20日
ダイナパックが12日発表した2021年1~3月期の連結決算は、最終損益2億5900万円の黒字となった。
同社は2017年~18年に行われた段原紙値上げの影響で18年は8.5億円の赤字に転落、19年は5.5億円の黒字へと持ち直したが、20年1~3月期の最終損益は再び3500万円の赤字だった。2021年12月期の売上高は前期比3.3%増の540億円、営業利益は同24.1%増の9億円、経常利益は同12.8%増の12億円で着地している。
国内段ボールの需要はコロナ禍でも、通販需要の拡大など巣ごもり需要で比較的堅調に推移。輸出、製造業や飲食店需要が落ち込む中、スーパーや通信販売関連へ需要が変化し、飲料需要も回復傾向にある。
同社の21年1~3月期の売上高は前年同期比3.1%増の129億1600万円、営業損益は9700万円の黒字(前年同期営業損益は8500万円の赤字)、経常利益は同10.4倍の4億5800万円だった。通期予想に対する第一四半期の進捗率は営業利益で10.8%。 業績は回復傾向にあるものの、2021年12月期通期の純利益予想は据え置いた。 純利益は前期比3.5%減の9億円を見込む。
ダイナパックは段ボールシート、段ボールケース、印刷機器および軟包装材などの包装資材の製造、販売を中心に、包装・梱包サービスを行う独立系段ボール製造企業。マーケットシェアは独立系最大手のトーモク(9%)に続く3%。 販売数量の増加に加えて、市場変化に合わせた顧客ポートフォリオの見直しや、設備革新を始め生産に係る費用を主体としたコスト低減により、利益計上となった。
昨今進めている海外事業については、コロナ禍から回復し売上は比較的堅調であったが、コンテナ不足によって段原紙原料である古紙価格が高騰、中国や東南アジア全域での主原材料となる段原紙価格の上昇傾向が影響し、収益を圧迫した。