■ 国内段ボールケース需要も不調、古紙価格低迷から一部古紙回収に滞り
2019年9月30日
時折お邪魔している段ボールメーカーにて今年の段ボール製品需要について尋ねると、皆そろって不調との答えが返ってくる。
5月GW大型連休の需要も思うほど良くなく、その後冷夏により飲料関係の販売が伸び悩む中で青果物の不作も重なったことにより段ボールケース販売は例年割れとの事だ。
今のところ消費税増税に伴う大きな仮需も起こっておらず、8月一瞬猛暑となったものの9月に入りまた気温が下がるなど夏の需要を取り返す事はできなかった。 秋の葉物の収穫は例年並みとの予測だが、これから台風シーズンに突入し先日の様な大型台風が再来すれば影響が出る可能性もある。
段ボール製品の不調はそのまま原紙販売に影響しており、製紙各社膨らむ原紙在庫に生産調整を余儀なくされている様だ。 今年に入り毎月継続している古紙の受け入れ数量カットは秋需に入る10月も最大3割カットとなる予定。
一方輸出古紙価格も変わらず低迷、直近二週間は東南アジアJOCC CIF 95~100(CY7.5-8.0/kg)、#11AOCC CIF台湾 $100~、JOCC CIF台湾 $90-95 (CY \8.0-8.3)と下落し今後6月につけた底値を割り込む勢いだ。
国内の生産調整による古紙荷止めに各問屋は価格の安い輸出向け出荷を余儀なくされており、古紙問屋のOCC平均販売単価は15円を下回っている。古紙問屋平均販売価格が14円を下回ると不採算な小口回収の維持が難しくなってくるため、物量を多く取り扱う大手問屋の小口回収に対する「お断り」が問題になり始めている。