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米中貿易戦争x新型肺炎で脱中国は加速するのか? 東南アジアで増産される原紙に需要はあるのか?①

Shanghai

  ■ 米中貿易戦争x新型肺炎で脱中国は加速するのか? 東南アジアで増産される原紙に需要はあるのか?①

2020年9月

‘17年に始まった環境規制により古紙の輸入ライセンスは年々縮小され、21年からは完全に輸入禁止となる。正隆社を始め中国に製造拠点を置く製紙企業は東南アジアにその生産拠点移設を模索し、中国企業ですら海外移転をせざる得ない状況となった。

製造業に於いて10年ほど前から脱中国依存の必要性が訴えられているが、中国の環境規制によって段ボール業界は一足先に「セカンドチャイナ」を実現しようとしている。ベトナム等東南アジア新興国の急激な発展は、製造業全体の中国に代わる需要を体現したものではあるが、今回の新型肺炎によって発生したサプライチェーンの危機を鑑みると、いかに世界が中国に依存し、脱中国の動きは思いのほかスローペースであったと言わざるを得ない。

その背景には中国共産党ならではのインフラ投資のスピード、為替コントロール、‘10年以降の中国の急激な経済発展と13憶人の消費に裏支えされた競争力がものを言っている。 

かつて日本を始め諸先進国においても人件費の高騰と生産設備の海外移転は必ず発生しているが、同時にここまで急激で巨大な国内消費が生まれる事もなかった。また政府の補助金と海外技術の模倣・取り入れにより高い技術力を手に入れ、OEM生産委託などの設備投資を伴わない委託加工貿易を可能にした。しかしトランプ政権の米中貿易戦争と新型肺炎の影響で世界のサプライチェーンが脅かされ、製造拠点の多様化・国内回帰など脱中国の必要性が再度注目される事となった。

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