■ マーケットハイライト:国慶節明け需要は弱いがコンテナ不足で価格は横ばい
2020年10月30日
来年の中国古紙輸入禁止も目前に迫り、国慶節明けの古紙輸出価格は弱含んでいる。しかしコンテナ不足と古紙の発生が悪い事から、極端な値崩れとまでは至っていない。
現在の古紙相場はJOCC CIF TAIWAN $145-150(CY14.0-14.5/kg)CIF VIETNAM $160-165(CY14.0-14.5/kg)で、中国勢はCIF $155-160(CY13.5-14.0円前後)ともう一段階低い価格だ。
10月中旬以降為替が円高基調にあること、海上運賃の値上がりやコンテナが取りづらい事から、円建て古紙価格の下落がさらに大きいエリアもある。
一方9月中旬以降EUでは感染第二波が拡大しチェコ、フランス、イギリス、アイルランド等に於いて都市封鎖が再開された。再び欧州古紙の発生が悪くなった事にコンテナ不足が重なり、すでに契約済みの欧州古紙が入荷されない事に対する警戒感もでている様だ。EOCCは一時CIF ASIA $130㌦付近まで値を下げたが、現在は150㌦まで持ち直した。
特にベトナムメーカーから11月中の着を条件に船足の短いJOCCに納期重視で$170-175㌦での引き合いも来ている。しかし日本に於いても古紙の発生が少ない上、段原紙の輸出が好調な事から国内メーカーは古紙購入量を戻しており急な買い増は難しい。またベトナム向けのコンテナは非常に取りづらく、契約しても履行できない可能性が高い為、目先の価格に輸出商社として契約を取るか躊躇している。
アジア段原紙価格は中国向けの引き合いが強まり、10月12日の韓国大洋製紙の火事も相まって上昇傾向だ。中国に於いて製品の輸出需要が増えている事、また秋需や年明けの原紙供給不安に備え、海外の供給元を探す動きが活発化している。