古紙輸出市況:中国需要は年末に近づき収束。アジアメーカーは価格下落を期待し様子見

  ■ 中国需要は年末に近づき収束。アジアメーカーは価格下落を期待し様子見

2020年10月25日

中国向けの段ボール古紙輸出価格は年末に向け若干下落傾向を続けている。輸入ライセンスを得た中国メーカーはすでに古紙の買い付けを済ましており、東南アジアメーカーも年末に向け価格が下がるのを待っている状況だ。 

現在の相場はJOCC CIF TAIWAN $145-150(CY14.0-14.5/kg)CIF VIETNAM $160-165(CY14.0-14.5/kg)で中国勢はCIF $155-160(CY13.5-14.0円前後)とさらに弱めの価格となっている。

 ベトナムは資材調達難からやや強含み

特に10月中旬以降の円高基調と海上運賃の値上がりによって円建て古紙価格はさらに弱含んだ。 しかし、ベトナムの製紙メーカーからは欧州古紙の発生減とコンテナ不足から思うように古紙が集まらず、11月初旬までに船積み可能なものに限ってCIF VIETNAM $170-175(CY15.5/kg) の特値で買うとの引き合いもあった。ベトナムのローカルOCCはおよそ180-200㌦前後(市中回収は殆ど無いはずなのでおそらくDLK)である為、JOCCに於いても170㌦前後までは納期優先で価格をつけるとの話だ。

ベトナムの古紙輸入ライセンスは1年ごとの更新となっている。一部のメーカーは年明けに更新を控えており、肺炎の第二波拡大と海上コンテナ不足から契約済みの欧米古紙が思うように届かない事に対する焦りの様なものもあったのではないだろうか。今後場合によっては東南アジア向けで船積み期限を限定したスポットベースでの価格がでる可能性も否定できない。

 年末近づくも中華系の購買意欲は強くない

中華系メーカーは11月中旬までの船積みを条件とし、数量限定の買い姿勢を見せているが価格は強くない。今後の欧米からの古紙到着を見極めている所なのだろうか。出荷に滞りなければこのまま年末に向けてさらに価格を下げていくものと思われる。しかし新聞古紙や雑誌に関しては発生減の影響が大きく、JONP CIF CHINA $270-275(CY25.0-25.5/kg)、OMG CIF CHINA $230-250(CY20.0-21.0/kg)と現在も高止まりしている。 

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