■ 米国段原紙需要急激に悪化 最大手IP社、原紙在庫過多で株価予想引き下げ
米国段ボール業界は、新型肺炎による巣ごもり需要と通信販売の拡大、金融緩和政策による資金余剰の影響で消費が拡大、需要が供給を上回る状態が続いていた。 しかしロシアによるウクライナ侵攻後、原油や天然ガス、穀物価格が高騰。7、8月のインフレ率は8%を超えており、世帯支出は月平均500㌦以上増加したことで消費が鈍化し、段ボール需要にも影響がでている。
投資金融機関であるJefferies社は16日、段原紙の過剰在庫を理由に米国最大手製紙企業であるIP社および、PKG社の株価予想を(安定)から(ネガティブ)に変更、目標株価をそれぞれ$31と$113に引き下げた。7月以降の需要減退により同社の原紙在庫は過剰状態に陥っており、近い将来在庫処分のセールを行う事で企業収益を圧迫すると指摘した。
また同社は23年の米国段原紙需要はさらに悪化すると予測している。これを受け17日の米国紙パ関連株は続落、IP社が▲9.4%、PKG社が▲9.7%、WestRockが▲9.8%の下落となった。