■ アジアマーケット:古紙価格下落も原紙需要は旺盛、価格急上昇。
2017年8月26日
昨年末からの古紙価格の高騰は徐々に製品価格に転嫁され、昨年下半期$330-360で推移していた中芯価格も、本年度5月時点では$420-430㌦前後まで上昇した。それでも当時中国市場に押し上げられた300㌦近い段ボール古紙価格には苦戦を強いられている状況だ。しかし今や日本からの輸出の8割近くを占めていた中国市場の停止により世界的に行き場を失った古紙は直近OCC$160-170前後まで下落し未だその下落の勢いは緩まっていない。中国国内の原紙価格が高騰し各国へ強い引き合いが来ている事から、アジア中の製紙メーカーが中国に原紙を輸出し始めている。中国の需要は旺盛で輸入古紙価格は下落したものの、中国向けの輸出増による原紙在庫減が各国の原紙価格を一段と押し上げる形となった。
中国では前年度比250%と高騰したダンボール箱価格は、もはや箱の形状での輸入を可能にするほどに他外国の価格と乖離してきており、ベトナム等の段ボール工場に段ボール箱の引き合いが中國からくるほどとなっている。
世界的生産過剰になりつつあったパルプ価格は近い将来下落すると予測されていたが、予測と反して古紙価格の高騰に影響を受け価格が上昇傾向になっている。中国向けパルプ価格は前月比平均20-30㌦前後値上がりした。