中国オミクロン株の拡大で段原紙需要低下 価格軟化 東南アジアに波及

  ■ オミクロン株の拡大で需要低下 中国段原紙価格軟化 東南アジアに波及

2022年1月8日

旧正月前の不需要期とオミクロン株の拡大による移動制限が重なり製造業の工場稼働率が下がった事で中国の段原紙需要は非常に弱い。また原料不足と電力不足により製紙各社は操短を余儀なくされているが、需要の弱さからさらに休転と値下げのアナウンスを実施した。

中国ではオミクロン株の感染が拡大、現在の新規感染者数は約200~300人/日、中国全体の感染者数は3282人で増加傾向にある。ワクチン接種率は81.9%となっておりブースターショットも開始されているが、1人でも感染者が発見された場合、都市を封鎖し数千万人単位でPCR検査を実施。『WITHコロナ』ではなく、『零コロナ』を必須とした強い政策が図られている事で経済にも大きな影響がでている。物流が制限された事で輸出向けの生産や運搬ができず、製造業そのものの稼働率が低下、連動し包装需要も非常に弱い状態だ。

東南アジアでは海上運賃と原材料価格が上昇した事で製紙の収益が圧迫されている上に、中国向け段原紙輸出需要が弱まっている事で価格も軟化した。一方、都市封鎖は解除されつつあるが、移動制限は引き続き行われており国内のデリバリーサービスが好調で内需は強い。 地元製紙企業は日々値上がりする海上運賃を添加できない中国向けより、国内向けの出荷を強めている。しかしこういった動きは東南アジアローカル企業に限った事ではない。東南アジアに於いて新しく稼働をはじめた中華系製紙企業も中国行を減らし東南アジア内での販売に切り替えている。インド、韓国系製紙企業も同様だ。東南アジアでは原紙がだぶつき製紙稼働率は70~75%前後で価格が弱含んでいる。

ベトナムに於いても厳格な都市封鎖は解除されたものの、引き続き移動制限は実施されている。またコンテナ不足と海上輸送問題により輸出ビジネスは回復しておらず、2021年下半期の感染拡大により21年の生産量は前年比8.7%減となる見込みだ。

最新情報をチェックしよう!