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APPキャンセルの影響で雑誌古紙輸出価格の回復に遅れ

  ■ APPキャンセルの影響で雑誌古紙輸出価格の回復に遅れ

2017年6月20日

3月末にAPPが購買済み雑誌古紙をキャンセルしたことにより混乱が生じた。苦汁を飲まされた輸出商社はAPPに対し取引を見合わせる等の措置を余儀なくされている。輸出古紙全体は急激な回復を見せているが、国内メーカーへ販売する分と明らかな品質に差がある雑誌古紙は出口が狭まったことにより緩やかな上昇にとどまっている。雑誌古紙のマーケットリーダーであったAPPと取引を継続するかどうかにより古紙商社の出す輸出見積価格には差がでている様だ。それだけ雑誌の輸出市場は同社に依存していたという事だろう。

APP以外の雑誌古紙の主力販売先としている富陽地区では24日、融資連帯保証問題で白板製紙メーカーが数社倒産する可能性が出ている。背景として環境負荷の高い中小製紙メーカーには政府(国営銀行)が融資を縮小される方針をだしている。

それに伴い民間銀行もLC発行を拒む傾向にある為、地元大手・中堅製紙メーカーは中小製紙メーカーに対し連帯保証という形で融資の手助けをしていた。その連帯保証を請け負っていた永正紙業が河川の整備事業により立ち退き命令出た為、傘下の23工場も閉鎖となる可能性が高くなった。永正紙業は生産能力200万㌧/年、従業員3000人の現地では主力企業だ。

中国政府は兼ねてより富陽地区の製紙企業を立ち退きさせる方針を発表している。環境設備の整っていない企業には古紙の輸入ライセンスを出さない。また土地等を買い上げ強制的に立ち退きを迫る様だ。雑誌古紙の主要販売先である富陽地区に陰りが見え始めている。

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