中国段原紙需要回復遅れ 輸入業者原紙在庫の投げ売りも

  ■ 中国段原紙需要回復遅れ 輸入業者原紙在庫の投げ売りも

2023年3月4日

中国の段原紙需要の回復が遅れている。中国ではゼロコロナ政策の解除により経済回復とそれに伴う包装需要の拡大期待感がでていた。さらに昨年末、中国政府が紙製品に対し関税の軽減税率を決定した事を受け、多くの輸入業者が投機的に輸入紙を発注していた。東南アジアや欧州の製紙に出された段原紙発注は2月中旬以降から順次到着をはじめており、3月も欧州からの原紙が到着する見込みだ。しかし、旧正月中は、飲食及び観光旅行セクションの経済指数は上振れしたが、欧米の消費減退に伴い中国の輸出産業は回復が遅れている事に加え、インフレによって中国国内の消費活動にも変化が表れている。

旧正月前、高い価格で段ボール企業に対しオファーされていた輸入紙は全く売れず、次々と到着する原紙に在庫が膨らむ一方となっている。さらに大手中国企業は輸入紙に対する対抗措置として、100RMB~200RMBの値下げを実施。輸入紙の価格優位性は失われた。投機的に積み増した段原紙在庫を処分しなければならず、一部投げ売りも出ているという。

さらに、インドの製紙企業も中国向け段原紙需要の回復期待感から、1月は多くの古紙を買い付けたが、逆にマレーシアなどの中華系製紙工場が、中国本土への輸出を取りやめ、インドに対しオファーを始めた事で、原紙相場が崩れ始めた。また、中国本土の大手製紙が相次いで大型休転を発表した事から、中国の需要回復の遅れは大きく知られることとなり古紙価格にも影響する事となった様だ。

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