■ 大王製紙 三島工場N7マシン稼働
2020年4月19日
大王製紙は三島工場において、洋紙の製造設備であるN7号機を2019年10月に停機し段ボール原紙へ転抄、4月1日より稼働を開始した。
N7マシンはオントップ多筒式で抄紙幅5120ミリ、坪量40~100gの印刷用紙を月産11,000㌧抄紙していた。転抄後の段原紙は坪量150~280g、生産能力は月産約2万5000㌧。投資額は約200億円で主な改造はプレスパート部分、ドライヤーの増設、古紙処理能力の増強となっている。
臨海立地の特性を活かし、段ボール需要の成長が見込まれる中国・東南アジア向けの輸出に重点を置く方針だ。 日本で主流の比破裂強度2.5~2.7kpa前後のテストライナーではなく、アジアで需要の高まる高破裂(比破裂強度3.1~3.8kpa)ライナーを製造・販売していく。特に中国では2021年から古紙が完全輸入禁止となり、大きな需要が生まれる事が期待できる。
また抄紙するライナーは破裂強度だけでなく、中国最大手であるナインドラゴン社と同じカラーにするなど品質面も中国仕様に近づける。原料はクラフトパルプを一定量配合するが、AOCCなどの繊維長の長い輸入古紙も検討する。