■ マーケットハイライト:新型肺炎が流行、古紙回収停滞で価格上昇
2020年2月23日
新型肺炎が流行し世界経済への影響が懸念される中、東南アジア古紙相場は旧正月明け前に比べ横ばいから若干上昇、OCC CY8.0-9.0前後で推移している。
昨年末の輸入規制によって古紙不足となっているインドネシアと、新型肺炎によって国内回収ができない中華系メーカーからの引き合いが強く、予想に反して古紙は強含みとなった。
ベトナムや台湾では旧正月明け出荷予定だった中国向け段原紙輸出のキャンセルや船積みの延期依頼が出始めているが、中国からの資材依存脱却需要が発生し内需が輸出減をカバーしているという話も聞く。
一方で中国向け輸出ウエイトの重いタイやマレーシアでは経済成長率が下方修正され、経済形態により中国経済鈍化の影響が色濃くでている国もある様だ。
今回の新型肺炎による工場の操業停止等が理由で中国の第1四半期のGDP成長率予測は6.2%から5%に大幅下方修正、中国政府は景気対策として3月2日より696品目の対米関税を1年間追加免除することを発表した。
古紙を含め紙製品も対象になっているが、関税免除は企業の輸入計画による申請を基とした割当制で計画を超過した分は課税となる。 港の稼働は未だ限定的で医療物資が優先される為一般貨物の輸入量に効果が表れるのは少し先になると思われるが、万が一新型肺炎が長期化すれば更なる景気低迷と古紙価格への影響が懸念される。
今後短期的ではあるが新型肺炎による経済への影響と、中期的には第二段米中貿易協議の動向、古紙不足からタイト感が出るであろう中国の段原紙需給によって古紙相場は左右されるのではないだろうか。