新型肺炎<他国の稼働状況>

  ■ 新型肺炎<他国の稼働状況>

2020年5月

インド内務省は17日都市封鎖を延長し、少なくとも5月31日まで続けると発表した。インドはアジア最大の人口国で感染が最も深刻な国の一つとなっている。都市封鎖は3月25日より実施されているが、ロックダウン延長は3度目。 1日の新規感染者がこれまでで最多の6,767人となり、同国の累計感染者数は5月20日時点で13万1,000人、死者数は3,500人を超えている。 

しかし、経済的打撃を緩和するため一部の分野では活動再開された。 レストランは、テイクアウトのみ営業、スーパーは入店人数の規制をかけることによって営業を許可した。一方学校、礼拝場所、映画館およびスポーツジムは引き続き閉鎖され、また大人数の宗教の集まりやスポーツイベント、地下鉄と国内線・国際線の飛行機の運航停止も継続する。

製紙業に関しては4月末から5月上旬にかけて一部稼働を開始しているが、鉄道などのインフラが停止している理由から労働者と原料の確保が難しく半分以下の稼働となっている。 

また都市封鎖が実施されたことにより港にコンテナが滞留した為莫大な保管費用が発生し、政府によりその費用を減免するように指示がでているが一部の港湾業者が反発しトラブルとなっている様だ。 製紙企業も国民衛生保持の為新基準に適合すべく費用を負担しており、その保管費用を捻出できない。市場の紙需要は非常に弱く、収入減に港湾費用の出費と苦しい状況を強いられている。

マレーシアでは4日から活動制限令(都市封鎖)を緩和し、大部分の経済・社会活動を再開している。ソーシャルディスタンス(社会的距離)の遵守を条件にオフィス勤務などの経済活動、レストラン店舗での店内飲食、屋内外での運動(10人以下)などが可能となった。 

段ボール産業は都市封鎖中も営業を許可されていたが、労働者と資材調達の面から限定的な稼働となっていた。5月4日以降は労働者も出勤を再開し稼働問題は解決した。しかし低需要と原料高、ドライバー確保の問題で5月初旬時点多くの製紙稼働率は50%程度となっており、徐々に需要は回復しつつあるが月末に於いても70~80%程度の稼働に留まっている。

欧州では段階的に経済が再開されつつあり、ドイツでは殆どの産業が稼働を再開した。国境は5月15日に全的に開通され物流なのどの問題はなくなりつつある。 イギリスに於いても企業活動の制限は解除され、古紙問屋も回収を再開した。古紙回収の再開に伴い価格は軟化傾向にあるが、一部の製紙メーカーに於いて二次感染の拡大に備え在庫を多めに持つ対策をとっている様だ。

しかし景気低迷は深刻で4月新車の登録件数は前年度比97%減と大幅に低下した。 オランダでは古紙回収は必要産業とみなされ都市封鎖中も稼働を継続していたが、感染からか病欠休暇を取得するものが多数でていた。現在は感染者数も減少し通常稼働に戻っている。


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