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新型肺炎、自動車業界に影響:包装需要も

  ■ 新型肺炎、自動車業界に影響:包装需要も

新型肺炎の流行は自動車業界に於いても大きな変化をもたらした。

自動車業界はサプライチェーンが機能せず、外出自粛で販売も縮小した。生産・消費共に大打撃を受けた業界だ。

そんな中テスラの株価が3倍となり時価総額がトヨタを超えたことが世の中を騒がせた。販売台数はトヨタが132万台、テスラが36万台と大きな開きがあり、同社は19年にようやく黒字化できた会社だ。

しかし市場はテスラがトヨタを抜き急速に成長するとみている。中国もEV化を急速に進めており30年までに石油燃料系内燃自動車販売を禁止する。また、地球温暖化により感染症を媒介する生物の生息域が拡大し、世界的パンデミック発生の確立が上昇するとの研究発表もあり、今回の新型肺炎の流行を受け地球温暖化に対する懸念も強まっている。

トヨタは従来のEV開発計画を5年繰り越し25年までに生産台数を550万台にすることを発表した。現在、自動車の部品点数は1台で3万点以上と言われている。それが純粋電気自動車(EV)になれば、1/3~1/2程度になるという。ガソリン自動車の主要部品であるエンジンとミッションがなくなり、排気系の部品も要らなくなる。そうなった場合高度な技術が不要となりITベンチャーなどの新規企業の参入も増え業界が様変わりしてしまうだろう。

自動車

自動車産業のすそ野は広く、部品メーカーに限らず整備でも多くの人が働く産業だ。関連事業全体で534万人が働き、日本の労働人口の8.3%にも及ぶ。しかし電気自動車になると、エンジンがなくなりミッションもなくなる。その分だけ、開発・製造・整備もいらなくなり、単純に仕事が減る事となる。

新型コロナの拡大で物流供給網が不安定になる中で顧客に近い拠点で部品を生産・供給できる3Dプリンターの採用が自動車業界や航空機部品業界に於いて加速した。最低ロットの縛りもなく、物流コストも削減できると同時にその包装需要も減少する事が予想される。自動車部品の包装需要は地場の中小段ボールメーカーが請け負っているケースが多い。コロナ渦で減少した包装需要がどこまで回復するか、マイナス要因も無視はできないのではないだろうか。

自動車
日経新聞より抜粋

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