欧米古紙下落継続 コスト合わず一部焼却も

  ■ 欧米古紙下落継続 コスト合わず一部焼却も

2022年10月5日 

アジア古紙相場が下落を始めて3か月がたつが引き続き価格は軟化を続けている。特に需要の落ち込んだ欧州古紙が先陣を切って価格を下げており、EOCC CIF ASIA は115~135㌦付近まで下落している。米国国内でもインフレによる消費減退が顕著で、9月、10月と休転を予定する製紙企業もでている。古紙が余剰した事で欧州古紙を追いかけるように価格が軟化、現在はCIF ASIA 120~140㌦付近でオファーされている。 しかし小売り売上が不調となっている為、#12にタイト感が出てきており、同グレードは130~145㌦と若干価格を維持している形となっている。

一方日本古紙はCIF VIETNAMで165~付近と高止まりしている。日本国内の需要が強い事や古紙の発生が少ない事から価格が下げ止まっている。一方で8月に発生した英国ストライキの影響でUKOCCの到着が遅れており、船足の早い日本の古紙を一部買う動きもある様だ。しかしその動きは限定的で、市場全体の需給は日に日に緩んでいる感覚が強い。

ローグレードなMIX古紙等は100㌦割れで80~90㌦レンジまで落ち込んでおり、出元逆有償の状態となっている。一度機械・手選別をいれなければならないものは手間とコストをかけてまで輸出する意義がなく、選別をいれずに焼却に回るケースも出てきている。2019年の暴落時の価格帯に近づいてきており、これ以上価格が軟化すると、欧州では回収そのものが停滞する可能性もある。

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