■ 米国、経済活動再開により輸入増加 コンテナ問題が再発
2021年8月6日
米国に於いて港湾の混雑が再発し、世界的コンテナ不足が再度悪化している。
米国ロサンゼルス(LA)港での沖待ちのコンテナ船は今年1月末~2月頭に最も増加し、20~30隻に達したが、ワクチンの普及により7月前半は平均8.8隻/日でまで減少した。 LA,ロングビーチ(LB)港では今年2~3月で約800人の労働者がウイルスに感染、その後エッセンシャルワーカーとして2月12日よりワクチンの優先接種開始した事により、港湾での感染拡大は抑え込むことに成功した。
しかし経済活動の回復によって輸入品が増えたことや、ドライバー不足から再度混雑し始めている。 着岸に必要な時間は、2月初旬は平均約13日であったが、6/月は平均約8日に減少。その後、7月に平均約8.9日と再度増加した。
LA港における 3月コンテナ取扱量は、95.7万TEUで前年比113%(LA港史上3月最高)に達し、5月には100万TEU(前年比46.89%増)を超えた。LB港の取扱量も同様で、5月に約90万TEUを超えている。
7月22日時点のLA港で係留されているコンテナ船は30隻を超えている。 港湾での荷卸し船舶数は29隻(通常20隻前後)と通常より多く処理しているが、国内輸送トラックの引取が少なく、港湾のコンテナヤードはパンク寸前となっている。サンフランシスコ近郊には6隻、ジョージア州17隻、ヒューストンで7隻など米国全体では80隻以上の大型コンテナ船が沖合で係留されているという。
LB港に於いても10隻以上の船舶が荷役待ちとなっている。輸入コンテナのターミナル内蔵置日数は2020年6月で約2.5日だったが、2021年は約5日間。また、コンテナがターミナルから鉄道で搬出されるまでの蔵置日数は、2021年6月時点で11.8日となっている。
今後秋需に向け輸入量は増加するとみられ、さらなる混雑が予想される。
コンテナ問題の再発は米国だけに限った事ではないようだ。ベトナムでは都市封鎖により港湾作業が遅れている関係からCYのスペースが不足し始めている。欧州からのフリーファーコンテナの受け入れを停止するなど混乱が生じている。