■ 中越パルプ 家庭紙事業参入を発表 印刷用紙から生産シフト
2021年11月18日
中越パルプ工業は17日、主力の高岡工場(富山県高岡市)に専用マシンを新設しティッシュなど家庭紙の生産に参入する5カ年の中期経営計画を発表した。一方、テレワークの浸透などライフスタイルの変化により情報用紙需要の縮小を受け、印刷用紙の抄紙機1台を止める。
生産を停止するマシンは同工場6号抄紙機で、上質紙のほか晒クラフト紙を製造し日産は255㌧。採算性を高め、26年3月期の営業利益を22年3月期比2.4倍の40億円に引き上げる事を目標としている。
新設する家庭紙マシンはティッシュ原紙のほか、トイレットペーパーやタオルペーパー原紙の製造を検討しており、23年12月に生産を始める。家庭紙の年産は2万2000㌧となる予定だ。
同社は25年の印刷用紙の国内需要が20年比で15%減少すると予想。一方で、家庭紙は新型肺炎の流行によりタオルペーパーの需要などが増えた上に、観光需要などが回復すれば現在より3%需要が増加する事が期待できるとしている。また20年時点の家庭紙の国内需要200万トンのうち、1割強に当たる22万トンは輸入に依存しており、国産への切り替えニーズを取り込む余地は大きい。
同社の発表する5か年計画では、家庭紙関連の事業を含め410億円を投資し26年3月期の自己資本利益率を5%に引き上げる。
家庭紙部門では、今年5月に同じく印刷情報用紙メーカーである北越コーポレーションが家庭紙事業への参入を表明している。