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古紙輸出市況:中国メーカー限られたライセンスでAOCC主軸調達

  ■ 古紙輸出市況:中国メーカー限られたライセンスでAOCC主軸調達

2019年1月25日

昨年年末から3回に渡り輸入ライセンスが交付された。71の企業が承認され昨年交付を受けた企業の80%がこの初回発行で交付を受けた形となり、総量は552.7万tで2018年の1~7回目発行分と同等の数量となる。

交付を受けた企業は玖龍紙業、山鷹、聠盛の3社がそれぞれ148万t、64万t、78万t、广州造紙が78万t、華泰社が68万tの交付を受け5社総計は428万tになり全体の77.4%を占めた。相変わらずの大手優遇だが一方中小製紙メーカーが集中する富陽地区には一部の例外を除いて今年ライセンスを発行しない旨環境局からのお達しがあったとのことだ。 

昨年は1,800万tあったライセンス発行総量も今年前年比60%、大よそ1,000万tと予想され、大型発行となった第一回からの期待をよそに昨年以上のライセンスが交付されるということはないと思われる。 

第2、第3、第4四半期の発行は年間発行予定総量の30%、20%、10%の発行となるだろうとの事だ。  

第1回のライセンスは大量に発行されたものの、予想通り中国の製紙メーカーの日本古紙購買意欲は非常に弱く中国向け輸出価格は旧正月明けの2月初旬以降の船積みで$165~175/t、円高も進んだこともありCY \14-~15円前後と下落している。 

 限られたライセンス枠で米国古紙を購入

昨年末は船足の制限もあり日本品の買い付けに殺到したが、繊維長の短い日本古紙ではA Gradeのライナー(破裂強度3.0kgf以上)は製造できない為、限られたライセンス枠を米国古紙の買い付けに割り当てる様子。 

また環境基準をクリアし中国政府とのパイプを強くもつ大手中心のライセンス保持、昨年を通しどのレベルの米国古紙が中国税関の環境検査をパスできるか感覚を掴んだことも要因だ。

昨年あれほど日本品の独占を狙い高値をだしていた玖龍社も態度を一変、日本古紙の価格を抑え見積りすら出てきていない古紙問屋もあるとのことだ。 東南アジア向けはさらにもう一段安くCIF150-160ドル(CY14-13円)の成約が出てきており、価格の下落は未だ止まっていない。

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