中国雑誌古紙輸入規制問題:環境規制審査結果
(時系列にて時事記載)
8月初旬
中国環境審査結果中国の製紙メーカーの270社、約60%に環境基準違反が発覚した。
「江蘇省理文」水質違反 「東莞九龍」危険物廃棄マニュアル不備・記録不備 「廣東理文」危険廃棄物脱墨設備の申請不備、機械改造の届出不備、排水処理の不備による地下水汚染
家庭紙製紙メーカー72社で環境違反が発覚
浙江省17社、山東省15社、廣東省11社、河北省4社、福建省4社、河南省4社、江蘇省4社、湖南省4社、江西省2社、天津市2社、安微省1社、山西省1社、廣西1社、黒龍江省1社、内豪古1社
環保省の立会検査結果発表の不合格製紙企業(1部抜粋)
玖龍紙業太倉工場、天津工場、重慶工場、江門星輝紙業、山東世紀陽光紙業、昌楽新邁紙業、江門市明星紙業 吉安グループ、浙江工場、広東華泰紙業、栄成無錫工場、平湖工場、中山市永發紙業、上海中隆、晨銘紙業
各製紙企業の古紙輸入方針:
玖龍紙業:太倉工場、天津工場、重慶工場 本社の連絡がない限り継続購入(輸入枠限り)
山東世紀陽光紙業:輸入中止
昌楽新邁紙業:輸入中止
吉安グループ、浙江工場:本社の連絡がない限り継続購入(輸入枠限り)栄成無錫工場、平湖工場:8月以降購入停止、様子見
上海中隆:既存契約は9月まで契約残履行、その後不明
晨銘紙業:輸入中止
江門星輝紙業:#3輸入中止、1.7万㌧の輸入ライセンスを環保省へ返却
広東華泰紙業:不明
中山市永發紙業:不明
APP寧波: MIXの購入量を2/3カット、国内古紙使用量を3000t/月から10,000t/月に増やす。
東莞建暉紙業・聯盛紙業: 輸入ライセンス枠の残量が少ない為。MIXの購入量を減らす方針。
8月16日
今回のナショナルソードに係る固形廃棄物の輸入規制に関する中国国内の法律が発表された。「中国人民共和国個体汚染物環境汚染防止法」「固体廃棄物管理法」「国境を超える危険廃棄物の措置法(バーゼル法)」を正式に施行。
環境保安部、商務省、税関本部、発展改革委員会、環境検査局に対し「固体廃棄物の禁止品目」「固体廃棄物の規制リスト」「非制限固体廃棄物リスト」を通知し、生活廃プラスチック8品目、未選別古紙1品目、廃繊維原料11品目、金属スクラップ4品目等4種24の固体廃棄物が対象としてリストに記載されている。2017年12月31日にから施行。
中国国内製紙メーカー各社輸入できない為国内古紙仕入れに切り替え、中国国内古紙がRMB2200-2300(35円/kg)付近まで上昇。取り合いとなる
8月24~25日
中国国内原紙価格さらに値上げ。RMB200程度(中芯価格でRMB4400(70/kg)レンジ)
古紙不足から原紙在庫が縮小、需給がタイトになっている。側需要家に対し前金を要求する等供給側がかなり強くなった。売掛残を全額支払うと共に今後は前金にする旨の通知を行った製紙メーカーも出ており、3月に133万㌧まで膨らんだ原紙在庫も7月末で48万㌧まで減少した。
古紙が中国へ持ち込めない為、JOCCが一気に韓国・台湾・東南アジアに流れた事により価格が280㌦から230㌦付近まで下落。
雑誌古紙に於いては韓国、一部タイ、インドネシアに流れているが、受け先がほとんどない状態となっている。