■ 中国段原紙輸入量 1-2月は前年度比35%増加
2023年4月15日
中国通関統計によると、1-2月の中国段原紙輸入量は2ヶ月間で107万㌧に達し、前年度比35%増加した。今年は旧正月が早かった兼ね合いから1月の輸入量は39.9万㌧と前年比5%前後少なかったが、2月は67.2万㌧と急増。単月で昨年の1.8倍の輸入量となった。67万㌧という数字は需要期ピークである11月の輸入量をも超える数量だ。品目別では中芯が32.7万㌧、テストライナーが28.7万㌧、Kライナーは5.7万㌧で、中芯の増加率が最も高かった。
2月の輸入量が爆発的に増加した背景には、昨年年末に中国政府が輸入紙に掛かる関税を撤廃し事がある。また、ゼロコロナ政策を緩和する方向に舵を切った事で新型肺炎への感染が急速に拡大。旧正月明けには集団免疫を獲得し経済が再稼働するとの期待感があった。先読みした輸入業者らが大量に段原紙を輸入した事で二倍近い輸入量となった様だ。しかし、3月以降の見通しは不透明だ。中国国内の経済活動は再開したものの、世界的インフレによって消費が減退、中国の輸出産業は不調が続く。国内に於いても、外食産業や旅行はいいものの、個人消費は落ち込んだままとなっている。東南アジアメーカーに出された原紙発注も四月以降は急速に失速傾向にあると見られ、中国国内の大手製紙も休転、減産を続けている。インフレが落ち着いた後も、脱中国がどこまで進んでいるか、完全には需要が戻るとは考えにくい。