■ 紙輸出市況:中国古紙・原紙価格軟化 在庫過多に4月休転
2021年3月26日
3月第三週に入り中国国内の原紙・古紙価格が弱含んだ事で、アジア全体の価格も若干の調整が入っている。段原紙は100-50RMB(8-12㌦)程価格が下がり、COCCは150~250RMB(20-40㌦)程軟化した。(印刷用紙と新聞は価格が上昇)1月以降アジアに比べ値上に消極的であった中国製紙企業も旧正月明けようやく200-300RMBほどの値上げを発表したが、すぐに調整が入った状況だ。
例年旧正月直前に玖龍社を中心に原紙在庫セールを行うが、今年は古紙が輸入禁止になる事及びアジア全体で価格が強含んでいた事からセールは行われなかった。また新型肺炎の再流行の懸念から今年は労働者が田舎に帰省しなかったこともあり、旧正月期間の休転は例年に比べ短く、早めに稼働を再開している。
地元業界紙によると中国国内の段原紙在庫は前年度同期比13.65%増加し、生産量は3月上旬に比べ1.03%減少したとの事だ。 原紙在庫が多い事や中国国内の古紙発生量も増加傾向にあり、過熱気味になった古紙価格を調整する意図があると思われる。 大手各社4月に大型休転をアナウンスしており、古紙の受け入れを絞っている。
古紙輸出価格はドル価格の上昇と円安も重なり、旧正月前に比べると2-3円/kgほど上昇した。現在の相場はCIF TAIWAN $235-245 (CY19.5-20.5/kg) CIF VIETNAM $270-280(CY19.5-20.5/kg) CIF INDNESIA $280-295(CY20.0-20.5/kg)となっている。
インドの再生パルプが高すぎる事から中国メーカーは購入を控えており、3月20日頃からAOCC/EOCCの買い付け価格を下げている。またインドネシアも4月12日からラマダンに入る事から、古紙価格の上昇に一服感がでると思われる。
しかし東南アジア各国の製紙メーカーの古紙在庫は非常にタイトな状況となっており、大きな価格下落につながるとは考えにくい。