中国「独身の日」大手通販各社売り上げを開示せず 最終日前半の売上高は4.7%減?

  ■ 中国「独身の日」大手通販各社売り上げを開示せず 最終日前半の売上高は4.7%減?

2022年11月12日

例年通販イベントとして賑わう中国「独身の日」も最終日を迎えたが、今年は例年と異なり最大手のアリババと2位の京東集団が期間中の(GMV)取引額を非公表とした。2009年にセールが始まって以降初めてで、中国政府がIT企業への統制を強化している事へ配慮したとみられる。

2009年にはじまった独身の日は、当時打ち上げ5000万元(約10億円)ほどだったが、年々すさまじい勢いで売り上げを伸ばし、2018年は2135億元(約4兆2700億円)、2019年には2680億元(約5兆3600億円)にまで拡大。昨年のアリババの取引額はセール期間中に5403億元(約11兆円)と過去最高を記録した。さらに京東、天猫(Tモール)など、大手ネット通販会社の取引額を加算すると9523億元(19兆円)に達している。

今年のGMVが非公表となった事で、セールの活況具合は不明だが、アリババ社はセール終了の翌日に「前年実績並みだった」と発表。京東も「昨年を上回った」と公表した。

しかし、調査会社によると、独身の日当日前半の売り上げは前年度比4.7%減になるとのデータが開示されている。また消費者への事前アンケートでは、14%の消費者が支出を減らす予定だと回答しており、その背景には経済・将来への不安(47%)、より持続可能で節約志向な消費行動への意識(35%)、所得の低下(33%)があると回答。6割近い消費者は昨年より多く買い物したいと答えたが、その購買予定消費は日用品がトップとなり、高級品への関心が薄れている事もうかがえる。多くの消費者が価値に見合った買い物をしたいと回答しており、消費動向に変化が表れた。

一方、感染者が急増しているエリアでは、倉庫から商品が動かせず注文から約10日経過しても発送されない例があり、ゼロコロナ対策が通信販売の配送に影響を及ぼしている。 また、独身の日の特需に合わせた倉庫仕分け、出荷に携わる日雇い労働者は、今年はコロナの影響で消費の出荷ができない日があった。雇われる日雇い労働者の数も去年より少ないように感じる。 2/3程度しか雇われていないのではないか? 日雇い労働者の雇用窓口では職にありつけるかわからない労働者が雇用企業側に詰め寄る場面もあったという。

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