■ 中国の内政事情と進む環境改善
2018年3月11日
中国環境保護省は10日、ナショナルソードを始め本格的な環境対策、冬季の大気汚染防止対策を進めるなか、北部の28都市すべてが2017年10-12月の改善目標を達成したと発表した。全28都市が17年第4半期の目標を上回り、PM2.5の平均濃度は地域全体で1立方メートル当たり27μgと、前年同期に比べて34.3%減少したとしている。
28都市は中国政府より‘17年10月~‘18年3月に、微小粒子状物質「PM2.5」の平均濃度を10-25%減らすよう命じられており、工業生産の抑制や交通、石炭の使用制限などの対策を実施している。北京や上海などの主要都市の上空には青空さえも見られるようになり中国政府の進める環境対策はひとまず成功したと言える。
中国の現憲法では国家主席の人気は2期最長10年までとなっているが、習近平国家主席は3月の全国人民代表大会で上記の制限に関する文言を撤廃する協議を行う事を発表した。
習近平主席の進めてきた「反腐敗キャンペーン」や「ナショナルソード」が成功を収める一方、世界の原料、板紙業界に大きな影響を与えてきた。3月の代表大会で改憲が可決されれば習近平体制の長期継続となる可能性が高い。中国が世界の経済に大きな影響を及ぼす大国となった今、中国の政策による経済への影響は無視できない状況だ。