■ 中国の景気回復とコンテナ不足、東南アジア向け古紙輸出に影響
2020年8月30日
いち早く新型肺炎の流行を抑え込んだ中国に於いて景気回復に対する期待感が広がっている。中国からの輸出が増加する中で、他国からの輸入は低迷を続けており、中国に於いてコンテナが不足する事態となっている。
米中貿易戦争による米国品への課税と環境規制による輸入固形廃棄物の減少も今回のコンテナ不足を助長したのではないだろうか。コンテナインバランスの崩れから中国からの輸出海上運賃は値上がりし、米国向けは1000㌦から4000㌦へと急激に上昇した。コンテナ不足の影響は9月に入り日本からの輸出にも影響を及ぼし始めている。
東南アジア向け古紙輸出BOOKINGの見合わせ、あるいは運賃値上げアナウンスを船社各社一斉に打診してきており、とりわけ運賃の安い台湾向け、ベトナム向け輸出はコンテナが非常に取りづらい状況となっている。
また中国向けも古紙を積めば現地Free timeで14日取られてしまいすぐに使えない為、空コンテナのまま中国へ回送している船会社もあるとの話だ。限られたコンテナをできるだけ国慶節前に中国へ集めたいという意図もある様だ。中国の環境規制開始以来、日本の古紙も東南アジアへその輸出先をシフトさせている。
ベトナム向けの古紙輸出の急成長に今年のベトナム向け輸出量は中国向けと同等までに拡大する見込みであるため、輸出商社にとって無視できない問題だ。一方で仮に上記第4四半期の輸入ライセンスが発行され、今後数週間で古紙の輸入通関が問題なく行えることがわかれば国慶節明け、条件付きで中国向け古紙の船積みを再開する可能性もある。