■ 中国経済指標低迷 段ボール需要減にコスト増添加できず 製紙も再度停機減産
2022年6月7日
中国統計局の発表した統計によると、今年第一四半期(1~3月)の経済指標は記録的な成長となったが、厳格な都市封鎖の影響によって4月以降の主要紙業は軒並み予想を下回った。5月の工業生産は前年同月比8.8%増で予想の9.2%を下回り、小売り売上高も予想の14%増が12.4%に留まった。固定資産投資も予想の17%を下回り15.4増で失業率は5%台を維持している。
中国経済の回復要素は重工業と不動産、輸出がけん引となっているが、飲食業など個人消費の回復が遅れている。端午節の観光支出も新型肺炎流行前に比べ25%下回っており、消極的な国内消費状況がうかがえる。
包装(段ボール)部門では22年1~3月の中国国内総売り上げは778億6500万元を記録、前年度比6.4%増となったが、利益面では13.2%減の24億4000万元で、紙、板紙製造業の累積損失は28.62%と2.7%増加した。段ボール企業の平均利益率は3.3%と昨年の4.14%から減少している。 原燃料価格が高騰する中、需要減退を背景にコストを完全に添加できない。
中国大手製紙企業も旧正月明けから休転、減産を繰り返しているが、6月2日、山鷹国際はさらに安寧省、江蘇省、湖北省、福建省の4工場5ラインに於いて3~10日間の休転を実施しメンテナンスを行う事を発表した。需要低迷に、生産調整を図る狙いだ。