中国原紙価格「独身の日」「古紙不足」で未曽有の大高騰。
中国の段原紙価格はライナーで100円以上、中芯80円以上と未曽有の古紙不足から毎月価格は値上がりし、今や中国内原紙価格は世界でも吐出した価格となってしまった。
11月11日の「独身の日」の需要や秋需、クリスマス商戦に向けた箱の需要は原紙価格の高騰に拍車をかけ、東南アジア、日本からも段ボール原紙が中国向けに輸出された。中国向けに中国市場価格より安く販売しても(中芯90g CIF $700、B2ライナー CIF $540-570)とアジアの原紙価格よりかなり高い為インドネシア、台湾の製紙メーカーはこぞって中国向けの輸出を増やしている。その影響でタイトになった各国の原紙価格も価格が上昇した。一方古紙価格は下落しており、原料安、製品高から各国の製紙メーカーの株価は鰻上り、この2か月はアジア中の製紙メーカーにとってバブルなひと時だったのではないだろうか。
しかし一方で加熱しすぎた原紙価格の高騰はユーザーの紙離れを加速させるのではないかと懸念されている。中国大手通販会社、独身の日のパニックの原因であるアリババ社は不足し高騰する梱包用段ボールを軟包装材(プチプチ等)に切り替え、缶ジュースはトレイにフィルム巻き、出版物はクラフト紙に巻いて発送するなどの包装資材の変更に乗りだしたのだ。前年度比250-300%までに段ボールケース価格が高騰すれば当然ともいえる現象だ。特に片段で包装しているような品物は軟包装材に切り替えて何ら問題がない。
一度軟包装材に切り替えられてしまうとまた段ボールに戻してもらうのは安易なことではないと各段ボール会社は懸念を抱いている。
ここにきて世界中に買い付け依頼した輸入原紙が船着、製紙側の原紙在庫は34万トンと低水準だが、段ボール会社側の在庫が膨れ上がり原紙の引き合いは低調となった。10月末、「独身の日」の原紙需要は完全に終わり残るはクリスマス商戦、原紙価格こそ月中100円近辺と高止まりしているが、先安観から原紙の買い控えが加速し、特に輸入原紙は発注のキャンセルが出始めている。香港の古紙輸入解禁に伴う国内古紙価格の暴落等もあり、需要期が終われば(12月中旬以降)原紙価格は落ち着きを見せ反転下落するのではないだろうか。