■ 中国の環境政策:税関検査強化、違法輸入が次々摘発
2018年5月25日
5月22日、突然米国古紙輸入規制の緩和措置が発表された一方で、税関広報部の倪岳峰中央本部長より「藍天2018(ブルースカイ2018)」の第三弾として海外からの廃棄物密輸摘発捜査行ったことを発表した。25税関分署(広東分署、天津、大連、瀋陽、哈爾濱、上海、南京、寧波、福州、南昌、長沙、広州、深セン、洪北、汕頭、黄埔、昆明、ウルムチ等)総動員数1291名、212の捜査班に別れ北京を含む17の省にて一斉捜査を行った結果、39の組織を摘発し組織幹部137人が逮捕された。13.7万頓もの廃棄物密輸が確認され、違法に混入した廃プラ、廃金属、スラグ、古紙等は60.56万頓にも及ぶ。哈爾濱では2,141t、厦門では22tの違法古紙が摘発されている。
今年1月から4月にかけて中国税関当局は20万コンテナにも及ぶ廃棄物関連貨物を検査し244件、8万8千頓、総額3.4憶人民元(54.4憶円相当)の貨物を港から移動させた。その内4.9万頓、1.7憶人民元相当がシップバック命令を受けている。同期間に輸入申告された固形廃棄物原料は4万4700件、577.27万頓、市場価格は55.62憶USDにも及ぶ。その内105事例2.15万頓、(1,206.85万USD)に有害廃棄物、放射線が検出され不合格とされている。また全体で256件が刑事事件として起訴され81企業249人が逮捕されているとのこと。
このような密輸された廃プラ、非金属には「中華人民共和国固形輸入廃棄物環境汚染防止法」及び「固形廃棄物管理法」に違反する人体に有害な物質を含んでおり、中国に密輸された後環境規制の認可を受けていない企業へ違法に転売されていたとみられる。この様な結果を受け税関本部はすべての税関において大型コンテナ及び車両の検査装置(H986 X線検査装置)を導入し、「三个100%」(100%開梱検査、100%検疫、違法廃棄物の100%摘発)を確実に実施するとともに、積み地側の船積前固形廃棄物検査(CCIC)もさらに細分化された規定を検討中で近日中に施行すると発表している。