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中国米国意外の関税を引き下げ段原紙関税7.5%→6%

  ■ 中国米国意外の関税を引き下げ段原紙関税7.5%→6%

2018年10月25日

10月18日に22回目のライセンス交付があり、交付された量は200万t以上と過去最大のものとなった。このタイミングでの大型交付は予想外だったが、殆どの製紙メーカーがライセンス残を使い果たしていたとも予想できるのではないだろうか。 

9月29日に発表された21回目の交付分と合わせて261万t、それ以前に交付されていた1500万tを9か月で消費したとすると月平均約160万tとなる為、今回の260万tはおおよそ年末までの購入分に割り当てられたものと思われる。 しかし今から買い付けたのではヨーロッパ品や北米品は間に合ない。残り2か月、年内の船着・通関を考えてもおそらく日本品だけでは多くて4-50万tの調達が限界で260万tの買い付けは不可能ではないだろうか。 そんな疑問を中国の古紙バイヤーにぶつけたところ、ライセンスが交付される前にヨーロッパ品を購入しており、すでに洋上にあり今後到着する分を割り当てるつもりだという。

中国政府は米国との貿易摩擦による景気への影響を緩和するため、大規模な輸入関税の減税を発表した。国外の中国向け輸出企業などの負担を軽減するとともに、米国以外からの原材料費負担を軽減する。 さらに今回の大幅な減税により中国国内の消費者の可処分所得を増やして内需の振興を図ることが目的だ。 政府が年初来進めてきた税・各種行政費用の削減策による成果は、当初計画を上回る1兆3,000億元(約21兆2,300億円)に達する見通しだ。 紙製品は従来7.5%であったが6%とし1.5%ほど減税する予定となっている。  

中国国内紙関連企業にとって米国品への25%の高関税賦課により古紙、パルプ、原紙は非常に買いづらい状況となっていたが、かねてより発表されていた他国からの輸入品関税の引き下げが注目されていた。

詳細は別表1「中国軽減税率」に記載

しかし原紙の税率は思ったより下がらず7.5%から無税にならなかったのは古紙の調達苦に苦しむ製紙メーカーへの考慮もあったのだろうか。 いずれにせよ今回の減税は極端に輸入紙の増加を促すものではなく、中国国内メーカーの原紙供給は今後も重要で古紙その他原料の調達は必要になりそうだ。

古紙を含む廃棄物原料の輸入を禁止にする計画があることが年始に中国国務院より発表されたことにより、製紙メーカーは上記古紙に代わる原料の調達方法の確保に動き、世界各国の古紙サプライヤーもビジネスの将来性に懸念と不安を抱いていることだろう。 しかしなぜか今年4月に公表された輸入規制の詳細には古紙の記載は見当たらない。 

4月19日に制定された「輸入禁止廃棄物目録」によると、2018年12月31日までに「金属スクラップ」「廃棄船舶」「廃棄機関車」「精錬スラグ」「廃プラ」等16品目が輸入禁止となり、「ステンレススクラップ」「チタンスクラップ」「木質廃材」等が2019年12月31日に禁止となる。

確かに年始には古紙も輸入禁止にする計画がある旨発表されたが、ひょっとすると完全禁止はもう少し延長されるのだろうか。 特に新聞紙の原料をパルプに変換することは難しく、さらには新聞紙メーカーは国営企業が多い。 国営である企業を外国に移転するということは考えにくく、共産国特有の「プロパガンダ」メディア媒体である新聞が古紙不足で製造の危機になるというのではお粗末すぎる。 

事実規制が始まった直後2017年にも急遽新聞メーカーに特別輸入ライセンスを交付しており、2020年の古紙輸入禁止も何らかの妥協策をもってソフトランディングするのではないだろうか。 いずれにせよ中国政府の言動と古紙相場の変動は予測がかなり困難でいつ何が起こってもおかしくはない。

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