■ 中国製紙4月も相次いで休転発表 中小製紙にも連鎖 「消費減退と脱中国」影響
2023年3月25日
中国国内の包装需要は3月になっても尚、低迷した状況が続いている。 インフレによる国内消費の低迷と、欧米向け輸出産業が不振であることが大きな要因となっている。米中摩擦問題や、長期間に及んだゼロコロナ政策はサプライチェーンの再編を促した。一部の製造業は東南アジアやインド、東欧州、メキシコなどに移設された為、中国の輸出加工業そのものが流出する事態を招いてしまった。ある調査によると日経製造業のうち5割が、部品などの調達で中国比率を下げると回答した。78%の企業が台湾有事やゼロコロナ政策など政策に対する不信から中国をカントリーリスクの高い国と見なしている。今後近年に増産された中国の段原紙は余剰する可能性が高い。
金田紙業は東莞工場に於いて4月1日から30日まで、4機の板紙マシン(白板・ライナー)を8~15日間、江蘇省に於いて3機(白板・チップ)マシンを8~12日間順次休転する事を発表した。 山鷹国際は3月22日以降、5工場6機のマシンを5~15日休転し7.8万㌧の段原紙減産を行う。湖北金鳳凰紙業も3月25日~4月末にかけて、システム改変の為の休転を発表、重慶理文紙業もPM13(白ライナー)を休転、再開の目途は立っていない。東莞泰昌紙業は10台全てのマシンをシャットダウン、江門明星紙業も同様で全てのマシンを停機させて事を発表した。 マシン停止の動きは中小企業にも連鎖しており、段原紙需要は回復どころからさらに悪い状況へと陥りつつあるかもしれない。