■ 中国 パルプ先物20%軟化でアイボリー・高板価格4割下落
2021年7月4日
中国国内のアイボリー・白カードなどの高級板紙価格が4割近く下落した。
一時7300RMB1060㌦)を超えていた上海パルプ先物市場(BSK)価格は、5月中旬に中国政府がインフレ抑制と過剰な先物取引への警戒感を示したことを発端に軟化し、現在は6200-6300RMB(890-920㌦)前後と15~20%ほど軟化している。 実需も弱く、先物価格に連動しパルプの実物価格も6月に入り軟化を始めた。
パルプ価格が最も安かった昨年6月のBSK価格は600-570㌦、当時の高級板紙価格は830-850㌦だった。 昨年末よりパルプが高騰し古紙の輸入禁止と脱プラ需要も相まってアイボリー価格は10,000RMB(1400-1500㌦)を超え、高板に於いては13,000RMB(1800㌦)の価格帯にまで大幅に値上がりしていた。 供給不足からパルプ価格と比べて過剰に高騰していたといえる。
パルプ価格の軟化を受け、パルプを原料とした紙・板紙価格が大きく下落し、現在のアイボリー・高板価格は6500~7500RMB(950-1000㌦)付近となっており、最高値より40%近く下落した。
一方中国国内の古紙価格は330㌦~400㌦近くまで徐々に上昇しており、260-290㌦前後であった前年度同期と比べて20%~30%ほど高くなっている。中国大手製紙各社は古紙価格が過剰に上昇する事を警戒し価格を押さえているものの、やはり古紙輸入禁止の影響から価格の上昇は免れないようだ。 アジア古紙価格も6月に50㌦以上高騰しており、アジア全体で古紙不足が深刻だ。