■ 中国 満州里 ロシアからのパルプ輸入量が前年度比二倍に
2021年2月22日
中国内モンゴル西部に位置し、ロシアとの国境に面している満州里税関の発表によると、2020年同国境から輸入されたパルプは44万8,000トンで、前年同期比49.4%増、15億6000万元(29.8%増)となった。 このうち、99.8%はロシアから、残りの0.2%はベラルーシから輸入されている。
品目別に見ると、漂白針葉樹パルプの輸入は75.4%増の73.2%、漂白広葉樹パルプの輸入は3.7%減の23.2%、未漂白針葉樹パルプの輸入は354.8%増の3.1%、その他化学パルプは3.1%増加した。
企業別に見ると、民間企業の輸入は30.3%増の55.1%、国有企業からの輸入は91.2%増の32.6%、外国投資企業の輸入は62%増の12.3%を占める。
満州里は中・露・モンゴルの国境地帯に位置し、シベリア鉄道の経由地となっている。東はウラジオストクから西はモスクワまでつながるシベリア鉄道の寄駅となっている事で、CIS諸国や欧州諸国への重要な国際ルートとなっている。ロシアとの陸路貿易の65%以上が同地域を通過する陸路の交差点だ。
また中国から中央ヨーロッパ行き輸出貨物の帰り便のうち、5分の1が紙パルプ関連品となっている。
昨今の脱プラ需要と環境規制により中国では紙パルプ需要が高まる一方、原料となる古紙は不足している。比較的安価なロシア産木材パルプと欧州からの帰り便による輸入は増加傾向にあるようだ。さらに中国はロシアから安価に伐採権を取得し大量の木材を輸入している。
満州里はかつて遊牧民の住むさびれた農村であった。2017年以降大量の木材が輸入されるようになり、多くの製材加工業企業が進出。中国の木材加工や木材製品生産の中心的な拠点の一つとなっている。
ロシアでは森林伐採、とりわけ中国の伐採に対する抗議行動がシベリアや極東地域で発生し、また極東地域の政府役人の腐敗(賄賂)なども問題となっている。
満州里国境 満州里の木材加工会社 大量に輸入される木材