中国の米輸古紙輸入規制と緊急緩和措置:

  ■ 中国の米輸古紙輸入規制と緊急緩和措置:

2018年5月23日

「5月2日に中国税関本部から発表された通知」

[2018]152号 中華人民共和国税関本部発表 広東分署、各所属税関(検疫局)宛:

【米国からの輸入の廃棄物原料に対するリスク早期警戒監督管理実施通知】

2018年に入り、中国各港に於いて米国から輸入の廃棄物原料に環境項目の不合格が相次いで検出された為、米国からの廃棄物原料に対して検査監督を強化することとする。

1. 2018年5月4日より、アメリカからの廃棄物原料はすべて開梱検査、検疫を行い、固形廃プラ、金属スクラップ、古紙の中に混入した禁忌品(ワックス紙、含侵紙、感熱紙、シリコン紙等)、疑わしい廃棄物原料に対しては、100%実験室で検査測定分析を実施する。各港は国家環境保護標準、検査検疫規定を厳守し、厳密に監督管理を行う。

 2. リスク予防措置として2018年5月4日より6月4日の1ヵ月間米国CCICの廃棄物原料船積前検査及び(PSI)Webシステムを暫定的に停止する。2018年5月3日以前に検査を合格したものに関しては引き続き輸入申告を受け付けることとし、検査証及び船積書類審査を強化する。輸入の廃棄物原料船積前検査証書、輸送書類等輸入検査申告書類の信憑性、完全性、相互一致性を厳格に検証し、貨物輸送情報等全て事実である資料を提供するよう中国国内の荷受人に要求する。船積み前検査証書の検査日が船積み日より遅い、検査場所と積荷地が異なる、未検査での申告、船積み前検査証書の違反発行が発覚した場合は、即刻、総署検験監管司に申告しなければならない。海関総署は、船積み前検査機関が実施する特定項目の関連業務に対して事実確認の聞き取り、監督および検査を重点的に行う。

「5月22日に突如発表された緩和措置」 

[2018] 5号 中華人民共和国税関本部発表(一部抜粋) 広東分署、各所属税関(検疫局)宛:

【米国からの廃棄物原料船積前検査管理監督作業要項に関する通知】

「海外ごみ流入撲滅」の精神に沿って、禁忌品A類のリスク予防実施及び廃棄物原料の正常な取引を促すため、北米の船積前検査停止期間中の検査要項は下記の通りとする。

2018年6月4日までに船積みされた米国の廃棄物原料に関し、カナダの船積前検査機関(CCICカナダ)の検査を受けたものを一時的に承認する。各税関支部はカナダの検査機関(CCIC)の承認を受けた廃棄物原料の輸入申告を受け入れるものとし、検疫・検査の方法は従来通りとする。 中国政府から発表された米古紙の輸入禁止措置も二週間で緩和、米国CCICが解禁になるまでの間カナダの検査機関による船積みを許可する旨の発表があった。しかし、カナダのCCICは自主検査が認められておらず必ず検査員の派遣が必要となり、またすでに洋上にある貨物においては適用されない。対米政策の一環であると思われるが急な規制と緩和、市場は大きく振り回される結果となったが「ナショナルソード」に続き「ブルースカイ2018」は継続中でさらなる税関検査・検疫の強化が発表されており禁輸解禁後も中国に大量の古紙が流れるといった構図にはならないと思われる。

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