■ 中国国内古紙回収現場
2019年2月1日
1月の中旬に中国上海市と江蘇省に出張してきた。
祝日という事もあったのか高速パーキングエリアのショップは沢山の人だかりで賑わっており、その殆どが高齢者で一人っ子政策の代償なのか中国も急速に高齢化が進んでいる事を実感させられた。
それ以上に驚いたのは電子マネー化で、万博前の上海のウォール街では浮浪者が街中に徘徊し外国人相手に小銭をねだっていたが、今やウィチャット(中国版Lineみたいなもの)による電子決済で物乞いをしてきた事には驚き開いた口が塞がらなかった。その電子マネーも先日ペイペイで不正利用がニュースになるなど日本では現金の普及率がまだまだ高く電子決済の技術は後発だが、今年から政府主導で電子マネー化の普及促進を開始する。
一方電子決済の先進国である中国ではアリペイが電子決済を用いた資源回収サービスを開始するとのニュースが放映されていた。手続きは簡単で携帯のアプリから住所、連絡先、回収してほしい資源ゴミの種類を選択し写真をアップロードする。加盟している回収業者から価格の返信が来て了承すればあとは玄関までアリババの運送業者が回収に訪れ計量しその料金がアリペイにポイントとして振り込まれる仕組みだ。
アリババの持つ運送ネットワークと広告力、知名度が故に加盟するリサイクル業者も多く排出側も電子マネーによる即金でごみを分別し販売しようという意欲も高まる。
中国では急速に資源ごみの回収ポイントが整備されつつあるが、上海などの都市部では従来のゴミ捨て場まで分別して持っていくという方法よりも一人暮らしの若い世代にはこの通販を利用した仕組みの方が比較的受入れ易い様だ。またこのアリババによる新しい取り組みは都市部に住む若者に対し資源ごみをお金に換える事ができることを周知し、学校教育よりも早いスピードでその分別によるメリットを一般市民に伝え実感させる事ができると事を証明している。
因みに私の妻は「楽天」狂で生活必需品の殆どを楽天で購入しポイント獲得を楽しんでいる。しかし日々溜まる重い古紙をゴミ捨て場に運ぶのは私の仕事で、おそらく日本ではコストが合わないと思うが、もし楽天がポイント付与で古紙回収も始めたなら妻も喜ぶし私の仕事も減るだろうなとふと想像した。