■ 中国の環境政策: (2020年までに固形廃棄物の輸入をゼロへ)
2018年7月29日
6月24日 中国国務院(内閣)より2020年までに固形再生資源の輸入を段階的にゼロにする計画「環境保護の強化と公害防止と規制の徹底に関する中国共同体中央委員会と国務院の意見」が発表された。 具体的には、大気、水質、土壌汚染の三項目の環境改善と規制の計画について記載されており、大気汚染部門ではPM2.5の削減、産業構造、エネルギー構造、輸送構造からの改革、水質汚濁の防止と管理においては、水質汚濁防止活動計画を徹底的に実施し、産業、農業、国内汚染源、水生態系の整備を加速させ、飲料水の安全を確保、都市の汚染黒水を排除し、深刻な汚染水域の水質を改善する。土壌汚染の防止においては、農地と都市建設土地の土壌環境を効果的に管理し、土壌汚染の管理と修復の強化、廃棄物の分離処理の促進、固形廃棄物の汚染防止と管理の強化に重点を置くとしている。
それぞれの項目には具体的な数字(現在の水質汚染除去状況の達成率や今後の排出窒素酸化物の量や目標達成期限等)や石炭ボイラー及び一般家庭の暖房設備の改善、EV車への転換(ディーゼル燃料の生成から車両の販売まで規制される)に至るまで触れられており、今後各項目においてさらに具体的な規制が発表されると思われる。
そのガイドラインの中一番危惧される部分は、再生固形廃棄物の輸入を段階的に削減し2020年までにゼロにする計画も盛り込まれていることだ。今後も引き続き海外ごみの包括的禁止、密輸に対し厳しい取り締まりを行い、固形廃棄物の輸入の種類と量を大幅に削減、2020年末までに固形廃棄物輸入ゼロを目指すとしている。
また、6月27日には中国で固形廃棄物が輸入可能な港が18港に削減される発表がなされ、2019年1月から施行される予定だ。現状削減される港においてライセンスを取得しているメーカーはリストに記載されている港でライセンスを取らざるを得ずメーカーの所在地によっては取得が困難になる可能性がある。