■ マーケットハイライト:玖龍社日本古紙調達姿勢を変更。価格大幅下落
2019年1月25日
年末から2019年分の輸入ライセンスにつき約550万tの大型発給が発表された。 2月の中国向け輸出価格は1月末現在CY14-15円代と大暴落しているが、それでも古紙問屋の販売先を模索する輸出オファーは強い状態だ。
1回目のライセンスの発行数量が予想より大型だったにも関わらず古紙価格が暴落している理由は、昨年日本古紙を高値独占買いしていた玖龍社が年明け購買姿勢を一変、他社よりもその購買価格を下げており、限られたライセンスを米国古紙の調達に当てていることにある。
また今年は四半期ベースでの発行で噂によると2019年の発行予定総量は2018年の消費量の60%程度、大よそ1,000万tと予想されている。今後未だ交付を受けていない華北地区の中小メーカーへ若干追加発行される可能性はあるが、年間総量で昨年程のライセンスが発行されることはないとのことだ。
昨年もこの時期は古紙輸出価格が下落したものの、旧正月明け価格回復への楽観視と日系製紙メーカーが古紙を買い支えたこともあり古紙問屋は安い輸出向けに出荷せず在庫した。 しかし今年は日系製紙メーカーも古紙受け入れの数量制限をしており、この古紙先売パニックの要因の一つとなっている。
旧正月明けの船着分を中国、東南アジアの製紙メーカーにオファーしているが、中国メーカーは難色を示している。 その影響で東南アジアメーカーには古紙商社による投売りオファーが集中しておりCIF価格は150-160ドル(CY13-14円)ともう一段低い価格での成約もでてきている。
今後もさらに下落が予想され、秋需と船足が重要になる年末には再度古紙価格は上昇すると予想されるが、昨年ほどの大きな上昇要因はなく古紙の本格規制2020年を目の前に15年以上続いた古紙輸出バブルもその本格的な転換期になると思われる。