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韓国 通販需要の拡大、古紙の輸入制限により段ボール不足懸念

KLB

  ■ 韓国 通販需要の拡大、古紙の輸入制限により段ボール不足懸念

2021年2月20日

現在韓国では、昨年10月に発生した新大洋製紙の子会社である大洋製紙の火事により、段原紙需給が非常にタイトになっている。

火事になった大洋製紙の安山工場は中芯マシン2機で年産40万㌧で市場の7%に相当する生産量だった。工場の再開には長い時間が必要とみられ、同社は同工場の再建を断念した。主要事業からの撤退となり上場廃止となるため、新大洋製紙は大洋製紙の株式を全額買い取る株主保全措置を発表した。 

昨年秋以降需給のひっ迫を受けて韓国各製紙企業は原紙の輸出量を縮小し、新聞マシンの転抄など国内への供給を増やすべく対応しているが、原紙価格は急上昇し高止まりしている。 

さらに韓国環境省は昨年7月から古紙の輸入規制(輸出業者の事前登録制や放放射能検査)を課しており古紙が輸入しづらくなった。 今年4月からは輸入側の韓国企業も事前登録が必要となり、実質的に韓国製紙企業が古紙を直接輸入する事が不可能となる。4月以降は古紙の輸入登録を済ませた企業を経由して購入しなければならなくなる。

これにより原料不足により生産が制限される事でさらなる供給不足が予想され、韓国製品の輸出梱包にも影響がでるのではないかと懸念されている。

 

韓国
段原紙不足を報道する韓国メディア

さらに新型肺炎の流行によって急激に通信販売需要が増加した。昨年の韓国の通信販売取扱量は10%増となっており、包装資材の需要も増えている。こういった需要増加による需給ギャップは瞬間的に30%程になっており、通販サイトで段ボールを購入することはまず不可能だという。 

また宅配業者は中小企業が多く、急激な宅配需要の増加に1日16時間労働、週60時間以上の残業を課されており、利益率も2~4%と低いため労働者の賃金も安い。あまりの激務ぶりにストライキが起こるのではないかと懸念する声が地元新聞で報道されていた。

 

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