■ Red Leaf pulp社 カナダ初の小麦藁パルプ工場建設を発表 23年の生産開始を予定
2021年6月3日
カナダの非木材漂白パルプの開発を行っているRed Leaf pulp社は3億5000万㌦を投じカナダ・サスカチュワン州レジャイナ市にカナダ初となる小麦ワラパルプの生産工場を建設する事を発表した。
原料はレジャイナ市に於いて廃棄される年間約29万トンの小麦藁を利用し、年間18万2000㌧の漂泊パルプと9万5,000トンのリグニンを回収する。
生産されたパルプは、ペーパータオル、ティッシュ、パルプモウルド、包装製品など、様々な紙製品用途として販売され、回収されたリグニンは、バイオ燃料、動物飼料、土壌添加物、粉塵の緩和、その他の産業用途に使用さる。
また、工場建設コストは木材パルプ工場の7割程度、製造プロセスに於いても比べ低エネルギーで水の使用量も少ない為、コストを50~60%節約できるという。
Red Leaf pulp社はジョージア州アトランタに本店を構えるパルプ関連のエンジニアリング会社であるAll north・Consultant社の創設者、ダービー・クリッツ氏によって2019年に設立された。
生みの親であるAll north社は26年間北米や欧州に於いて非木材パルプラインの建設や試運転に於いて実績を積み、19年にコロンビアパルプ、20年にはドイツのEssity社の麦藁パルプ工場の建設に携わっている。同社は長年の実績をもとに独自の非木材パルプ製造技術を開発する事に成功した。 レジャイナ工場の建設資金はサスカチュワン州政府や研究開発資金調達プログラム、ファンドやスポンサーから出資され、工場の建設に於いて250人と稼働後の工場運営に100人の新規雇用を生み出すとしている。
レジーナ市のSandra Masters市長は「Red leaf社がカナダ初の非木材パルプ工場の建設にレジーナ市を選んでくれた事を大変嬉しく思う。この事業はレジーナ市における継続的で多様な都市型農業経済成長に寄与するだろう。環境的に持続可能な方法で作物価値を最大化し、低炭素エネルギー分野で貴重な雇用を提供してくれる。」と同社の進出を歓迎するコメントを発表している。