船の自動運転化 世界に先駆け25年の実用化を目指す

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  ■ 船の自動運転化 世界に先駆け25年の実用化を目指す

2020年7月

商船三井や日本海洋科学(日本郵船グループ)などが参画し、21年度末までに実証実験を実施する内航船の無人化計画が進行中だ。 

25年に自動運航船の実用化し、40年に国内を貨物輸送する内航船の半数を無人化する計画で、実現した場合の経済効果は「1兆円」と言われる。 自動車大国でありながらEVや自動運転で米中に遅れをとる日本。 

船舶業界に於いてもかつて造船大国と言われたが、今や造船分野でも韓国や中国に遅れを取り世界シェアは、韓国45%、中国30%、日本はわずか7%となっている。 

島国である日本は貿易の99%を海上輸送に頼る特殊な海運大国だ。また国内物流に於いても海上輸送を多用しているが、内航船は日本国籍を持っていなければ船員になれないという規定があり、現在内航船船員の平均年齢は50歳を超えているという。 

船の自動運転化は少子高齢化の進む日本にとって急務であるが、日本財団と国土交通省の支援もあり官民連携で実用化を急ぐ。 以前ノルウェーやフィンランドといった北欧においても自動運航船の技術開発に政府主導で取り組んでいたものの、短距離区間での実証実験だったこともあり成功したとは言いがたい。 

今回のプロジェクトでは日本の複雑かつ混雑した海域など困難な条件下で実証実験を進めより高度な技術の実用化をめざす。また商船三井は2019年より海上輸送のEV化も取り組んでいる。

旭タンカー、エクセノヤマミズ、三菱商事と提携しEV船の開発を行う。21年半ばまでの実用化を目指し2050年までにGHG排出を2008年対比50%以上削減を達成する。 

海上輸送の無人化イメージ(日経新聞より抜粋

海上輸送が一新され、無人化EV化されれば国際物流と貿易にとっても大きなインパクトとなる為期待したい。 しかし、かつて貿易大国であった日本だが韓国や中国に抜かれ、貿易の拠点でなくなってしまった理由にその物流コストの高さ、港湾の制限などがある。 

世界のハブ港では今や24時間稼働は当たり前、夕方16:30にコンテナヤードが閉まってしまうのは日本だけである。 日本の国際競争力と将来のために船舶運航だけでなく、大きな既得権に守られた港湾作業も自動化を導入するなど革新してもらいたいのが本音だ。

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