■ 中アジア古紙市況:ライセンス更新後も価格は低迷
2018年2月26日
旧正月明けから5月付近までは例年原紙の不需要期である上、昨年末から世界中の古紙が集中し在庫過多となっておおり、旧正月明けも状況は変わらない状況の様だ。
日本品は建値の兼ね合いや年末まで国内製紙メーカーが購入を続けた事により輸出価格が建値を割った時点で一瞬一服感があったが、国内製紙も在庫過多となり下落を続ける世界の古紙に引きずられる形で再度下落し始めた。
アメリカ、ヨーロッパの古紙は中国という巨大市場への行き場を失い、ライセンス更新後に価格が回復すると踏んでいた古紙サプライヤーの思惑が外れたこと、受け皿である東南アジアの製紙企業が旧正月明けも購買意欲が薄い現状を受けて東南アジアを中心に投げ売りされはじめた。
NO.12(選別された段ボール)はもとより、ヨーロッパのEOCC 2/98グレード(98%段ボール)は品質面もよく安価となれば製紙メーカーは日本品よりもそちらを選ぶというのは必然かもしれない。EOCCは台湾向けで$130ドル2/98は中国向け$145-170ドル前後まで下落しており、何かとこの価格を引き合いに出してくる為、建値付近でも到底成約してもらえない状況だ。
ある程度の数量が国内で消費されており、また高品質が故にいずれは古紙価格も回復するという概念が強い日本の古紙は海外品より下落のスピードは緩やかになっている。しかし世界規模で古紙価格が下落する中、やや割高感の出てきた日本古紙は人気がなく、各国の古紙も品質管理ができてきたのか過去の「日本品=高品質」という優位性も消え失せたかの様な引き合いの弱さとなっている。
今後特に東南アジアはヨーロッパからの海上輸送ルートが盛んであり、且つ原紙の品質基準も甘いことからこのまま古紙価格の低迷が続く場合ヨーロッパ品にシフトしていく可能性が高い。